私たちの身体には免疫機能が備わっており、そのおよそ70%が腸に集中しています。つまり日々の健康と腸内環境には、深いつながりがあるのです。腸内に生息している腸内細菌の中でも、善玉菌は免疫の活性化に関わっています。身体に有害か無害かを区別して、有害なものを排除させるというシステムは、この腸内細菌によって調整されているのです。腸内環境を整えるためには、腸内細菌のバランスを善玉菌優勢に常に保つことが大切です。
自分の腸内環境を知る目安となるものは、自分自身の排泄物です。健康な人の便は、水分が80%で残りの20%が食べかすと生きた腸内細菌であり、さらにはがれ落ちた腸粘膜で構成されています。乾燥した便1グラムの中には、約1兆個もの腸内細菌が含まれていると言われています。便の状態で、その人の腸内細菌のバランスがわかるのです。
練り歯磨き粉程度の硬さがある黄色の便の場合、善玉菌が優位で健康的だとされています。悪玉菌が優位な場合は、硬い上に量が少なく、黒褐色である便のときです。便秘になっているおそれがあります。また、軟らかすぎる場合も悪玉菌が優位です。この状態は、腸周辺の筋肉や腹筋が不足していると考えられています。それから、水状の便の場合は、かなり悪玉菌が優勢です。硬い状態(便秘)と水状(下痢)が交互に起こる場合、腸内の水分吸収に異常が生じている可能性があります。
このように、私たちの便が身体からの大切な信号となっていることを覚えておきましょう。腸内環境が整っているかどうかは、適切な排泄をしているかどうかでわかるのです。
腸内環境を整える方法として、まずは食生活を見直してみましょう。