悪玉菌はなぜ増える

悪玉菌とは?

人の腸内には数百種類、数百兆個、総重量約1kgもの腸内細菌が生息しているのをご存知でしょうか。私達の身体の健康は、それらの腸内細菌によって大きく左右されています。そのような腸内細菌の中で、私達の身体の健康を害するのが悪玉菌です。悪玉菌は有毒物質を発生させる腸内細菌で、大腸菌やクロストリジウムがその一種として挙げられます。

 

悪玉菌は大腸と直腸に生息し、腸内に腐敗物を溜め込みます。有毒物質を発生させ、善玉菌の働きを抑制します。腸内環境が悪化することによって、便秘や下痢が起こります。また、悪玉菌は身体全体の免疫力を低下させ、風邪や胃腸炎への感染率を高めたり、有毒物質から発がん性物質を作り出すこともできます。なお、人の腸において生息できる腸内細菌の量には制限があります。

 

よって、悪玉菌が増えれば善玉菌が自然と減少し、悪玉菌優勢の腸内環境になります。その結果、便秘下痢だけでなく、身体全体に様々な不調が生じることになります。

悪玉菌とは?

悪玉菌が増える原因

悪玉菌が増える原因

生まれたての赤ちゃんの腸は、99%以上が善玉菌に占められています。しかし、生後3日目から善玉菌量が徐々に減少していくことになります。その後、加齢による免疫機能の低下や摂取する食品の影響を受けて悪玉菌が増えていきます。

 

たとえば、肉類です。消化の悪い肉類は腸で腐敗便となり、悪玉菌の餌となります。悪玉菌は肉類のタンパク質やアミノ酸を餌に生育し、有毒物質を放出します。その結果、下痢や便秘といった症状を引き起こします。また、食物繊維が少ない食事も悪玉菌を増殖させます。食物繊維は腸内の腐敗物を吸収し、善玉菌の働きを高めます。よって、食物繊維を摂取しなければ善玉菌を増やすことが難しく、悪玉菌優勢の腸内環境が形成されてしまいます。肉中心の偏った食生活をしている方は、腸内が悪玉菌優勢になっている可能性が大きいといえます。

 

よって、善玉菌の一種である乳酸菌やビフィズス菌を含む食品や食物繊維の豊富な野菜などを日頃の食生活に取り入れ、善玉菌量を増やしていくことが大切です。なお、ストレスも悪玉菌を増やす原因のひとつです。ストレスを溜め込むと自律神経に影響が及びます。すると胃酸の分泌が抑制され、胃は従来の働きができなくなり、消化不良を起こします。その結果、腸に腐敗物が蓄積され、悪玉菌の増殖を促してしまいます。精神面の健康は腸内の健康にも繋がります。悪玉菌の増殖を抑えるためにも趣味やスポーツ、リクゼーションなどを利用して、定期的なストレス発散を心掛けましょう。

こんな症状にお悩みの方は要注意

以下の症状は、腸内が悪玉菌優勢になっている証拠といえます。放っておけば身体に様々な不調が生じることになるでしょう。ただちに生活習慣の見直しを行い、善玉菌優勢の腸内環境を作りましょう。

  • 便やオナラが臭う
    腸内に悪玉菌が増えると、食べ物のタンパク質やアミノ酸からアンモニアや硫化水素といった有毒物質が作り出されます。便やオナラの刺激臭は、これらの有毒物質によるものです。
  • 腹部の張りや腹痛
    悪玉菌の作り出す有毒物質は、腸の活動を抑制します。その結果、腸内に便やオナラが溜まって腹部が張り、その刺激で腹痛が起こります。
  • 肌荒れや体臭、口臭
    悪玉菌によって作り出された有毒物質は大腸粘膜の血管に吸収され、血液を通して全身に充満していきます。皮膚に運ばれた有毒物質は肌にダメージを与え、ターンオーバーを抑制します。結果、ニキビや吹き出物といった肌荒れが起こります。 また、独特の刺激臭を持つ有毒物質が全身に充満すると、その腐敗臭が毛穴から漏れてしまいます。体臭や口臭に異変を感じたら、腸内に悪玉菌が増殖している証拠です。
  • 倦怠感や疲労、風邪や口内炎
    腸内が悪玉菌優勢になると、作り出された有毒物質によって身体の各免疫機能が低下していきます。その結果、全身に疲労を感じやすくなったり、風邪や食中毒、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

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